無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「おいっ、おまえっ! 正妃に戻してやる。だから、おれを助けろ。そして、皇都に戻るんだ。こんな欲深レディ、ここに捨てて行けばいい。そうだ。生贄にすればいい。そうすれば、そこにいる国王はおまえのかわりに愛するはずだ」

 元夫はいままで口汚く罵り合いをしていたのに、彼らの生殺与奪の権がわたしに与えられたことを知った途端、つぎはわたしに言ってきた。

 というよりか、エラそうに命じてきた。

 すでに帰る場所はなく、すべてを失った元夫が、である。
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