無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
(そうだったわ。勝負で勝った方が負けた方に望みをかなえてもらうのだったわね。バタバタしていてすっかり忘れていた)

 キャロルと顔を見合わせた。

 ヴィクターの双子の姉は、その美しすぎる顔にいたずらっぽい笑みを浮かべた。

 おそらく、わたしの顔にも同じような笑みが浮かんでいるに違いない。

「それでしたら遠慮なく。ビアトリスさん、アイリーンさん。あなたたちには、あなたたちがほんとうに愛する人と結ばれて欲しいのです。といよりか、結ばれなさいって命令します」

 居丈高に見えるよう、長椅子に腰かけている状態で全力で胸をはった。

 悲しいかな、全力で胸をはってもキャロルや双子姉妹の豊満な胸には遠く及ばないけれど。

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