無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
 ビィクターへの想いも含め、すべては祖国に出来るだけのことをしてからである。

「愛しいサエ。子どもは、多ければ多いほどいい。男の子も女の子も大勢欲しいな」
「ですから、ヴィクター様。わたしたちはまだ婚儀も行っていないのです。子どもはまだ早すぎます」
「す、すまない。きみと子どもたちをしあわせにすることしか頭になくて……」

 ビィクターに肩を抱かれたまま、彼を見上げた。

 シュンとしている彼が可愛すぎる。愛おしさがこみ上げてくる。
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