無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「ヴィクター様、子どもたちやわたしだけがしあわせになるなんてイヤです。あなたもしあわせでなくては。といよりか、ヴィクター様。わたしはすでにしあわせです。こんなにも、こーんなにもしあわせです」

 どれだけしあわせであるかということを示す為、彼に肩を抱かれたまま両腕を精一杯広げてみせた。

「ですが、どうせならわたしたち以外にも、キャロル様やパーシーやチャーリーやビアトリスさんやアイリーンさんや駐屯地のみなさん。それから、オーディントン国とウォーターズ帝国のすべての人たちといっしょにしあわせになりたいです」

 彼の瞳を見つめる。

 彼のルビー色の瞳もまた、やさしくあたたかい。
< 373 / 375 >

この作品をシェア

pagetop