無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~

いよいよ国王に会う

 大廊下には、他の多くの城と違って絵画や彫刻といった装飾品がまったくない。石の床と壁、左手には扉が、右手には切り抜かれた窓が等間隔に並んでいる。

(そうよね。ここは駐屯地ですもの。ムダに飾ったりはしないわよね)

 キョロキョロしながらそのことを思い出した。

 大廊下をつきあたりまで進むと、大きな木製の扉が見えてきた。

 どうやら、この扉の奥が居住区のようである。
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