無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「入れ」

 低く凄みのある声。

 その短い一語が、わたしの心臓をさらに飛び跳ね暴れさせる。

(お腹の虫といい心臓といい、暴れすぎよ)

 心の中で呆れ返ってしまう。

 緊張でどうにかなってしまいそうな中、二人はなかなか戻ってこない。

 それがいい兆候のように感じられないでいる。

 ときが経てば経つほど、よくない想像ばかりしてしまう。
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