無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「どうぞ。お入り下さい」

 このタイミングでチャーリーが奥の扉から顔をのぞかせなかったら、どうにかなってしまったかもしれない。

 とはいえ、それはそれで緊張がさらに増す。

 そう。いよいよ会うのである。

 オーディントン国の国王ヴィクター・ホワイトウェイに。謎に包まれ、神秘的な存在とすら噂されている人に。

 生贄として、捧げるのである。わたし自身を。

 そして、奥の扉から執務室に入った。

 緊張や不安で震えながら……。
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