無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
 勇気が挫けてしまう前に。あるいは、国王の機嫌を損ねない内に。

 執務室内に沈黙がたれこめた。それはまさしく、痛いほどの静けさだった。

 国王がなにを言うか? あるいはどうするか?

 彼がアクションを起こすまでのわずかな時間は、いつまで続くのかしらと思うほど長く続いた。

 しかし、アクションを起こしたのは彼ではなくパーシーとチャーリーの双子の将校たちだった。

 彼らは、おたがいの顔を見合わせた。それから、頷き合っていっせいに国王を見た。そして、同時に口を開きかけて……。
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