無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
 ちょうどいい大きさの部屋には、天蓋付きの大きな寝台、机と椅子、チェスト、ローテーブルと長椅子、本棚がうまい具合に配置されている。クローゼットもあり、その中は当然空っぽ。洗面室とトイレ、浴槽までついている。

(ということは、ヴィクターの意志いかんにかかわらず、とりあえずは今夜は泊めてくれるつもりだったのかしら?)

 パーシーとチャーリーの金髪碧眼の美貌を思い浮かべた。

(彼らは、よほど国王というよりかは将軍であるヴィクターのことが大好きなのね。尊敬しているのに違いないわ)

 二人がヴィクターを叱ったりいじったりしていたのを思い出し、自然と笑みがこぼれた。
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