無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
(それにしても、宮殿の大階段から落ちたショックで力の目覚めるなんて……)

 窓に近づくと、それを開けた。

 いくつかの篝火の光の中、庭が浮かびあがっている。

「というか、力の話ってほんとうだったのね。てっきり伝説とか言い伝えとか作り話的に考えていたわ」

 声に出していた。

 しかも、相手のほんとうの気持ち、というのかしら、声というのかしら、とにかくそんなものが流れ込んでくる力だなんて。
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