無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「こういう力って役に立つのかしら?」

 ふと考えてしまう。

「でもまぁ、そのお蔭でここにしばらくはいられることになったから、そこはよしとしましょう」

 両腕を天井におもいっきり突き上げ伸びをする。

 欠伸が止まらない。

「あー、そうか。わたしだけ祖国から運ばれてきたからなにも持っていないのよね」

 というか、わたし自身が荷物みたいなものだったわけよね。
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