無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「ということは、このまま眠るしかないわよね」

 姿見の前に移動し、自分を見た。

 短めの黒髪、黒い瞳、けっして美しくも可愛くもないどこにでもあるような顔、小さい体。

 ヴィクターが心の中で絶賛してくれていたけれど、彼はもしかして目が悪いのかもしれない。あるいは、感覚が他の人とズレているのか。

「そうよね。軍はほとんどが男性でしょうし、レディならどんなレディでもまともに見えるのかもしれないわね」

 そう結論付けることにした。
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