無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
 当然、元夫はドレスや装飾品を贈ってくれたことはない。それどころか必要最低限のものを揃えてもくれなかった。それでも公の場に出るのに何度も同じ物を着用したり、ボロボロのドレスや靴を着用するわけにはいかない。

 お母様の形見のドレスがほんとうに役に立った。

 お母様に感謝してもしきれない。

 そのお母様の形見のドレスももうこれだけ。皇宮のわたしの部屋に残っているものは、捨てられたに違いない。
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