無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「よく眠ったわ」

 目が覚めると、室内に光が溢れ返っている。

 ふたつある窓とガラス扉のカーテンを閉め忘れていた。

 というか、カーテンまで気がまわらなかった。

「わたし、偉い」

 疲れきっていたにもかかわらず、ちゃんと布団には潜り込んだみたい。

 ここオーディントン国は、祖国ウォーターズ帝国より北に位置する。この時期、日中は祖国同様暖かいけれど朝晩は冷えこむはず。

 布団をかぶらないで眠っていたら、風邪をひくかお腹を壊すか、あるいはその両方になってしまったかもしれない。 
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