愛毒が溶けたら
「……ふ、ふふっ」
「その笑いは、”僕はカッコよくない”って事?」
「いえ、違います……っ」
ブーと膨れっ面をする守人さんが、また可愛くて。抑えようと思っていた涙は、もう自然と止まっていた。
すると、そんな私を見た守人さんが、ボソッと呟く。
「……冬音ちゃんは、強い子だよ」
「今、何か言いましたか?」
首を傾げる私に、守人さんは帽子をもっと深くかぶった。これだと、顔が見えない……どころか、ちょっとした変な人に見える。
すると、間の悪い事に――
帽子を脱いでパタパタ顔を仰ぎながら、柴さんがやって来た。
「一葉、引継ぎ終わりましたよ……って何してるんですか、あなた」
「げ、柴さん……!」
「”ゲ”はやめなさい。私はあなたの上司です」
そして、いつものやりとりが始まった。和む風景を見て――こみあげていた感情は、少しずつ落ち着きを取り戻す。
「その笑いは、”僕はカッコよくない”って事?」
「いえ、違います……っ」
ブーと膨れっ面をする守人さんが、また可愛くて。抑えようと思っていた涙は、もう自然と止まっていた。
すると、そんな私を見た守人さんが、ボソッと呟く。
「……冬音ちゃんは、強い子だよ」
「今、何か言いましたか?」
首を傾げる私に、守人さんは帽子をもっと深くかぶった。これだと、顔が見えない……どころか、ちょっとした変な人に見える。
すると、間の悪い事に――
帽子を脱いでパタパタ顔を仰ぎながら、柴さんがやって来た。
「一葉、引継ぎ終わりましたよ……って何してるんですか、あなた」
「げ、柴さん……!」
「”ゲ”はやめなさい。私はあなたの上司です」
そして、いつものやりとりが始まった。和む風景を見て――こみあげていた感情は、少しずつ落ち着きを取り戻す。