お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
私を解放するや否や、顔を顰めて不満を口にする成希。


「お前は顔だけ。アッチに関しては、元カノの方が上手かった」なんて、無神経な事まで口にする。



「ご、ごめんね。下手で……。でも、人前では恥ずかしいからやめてって……」

「は? んだよソレ。俺とキスしたくねーの?」

「そういう事じゃなくて……っ」



まずい、マズイまずい。

成希の機嫌が、どんどん悪くなってきた。



これは、早く話題を変えないと――!



「そう言えば成希はさ、キャッ!?」



成希に話しかけた途端。


私の体はグイッと引っ張られ、細い路地裏に連れて行かれる。

冬は日が沈むのが早く、午後六時は真っ暗だ。そんな中、街灯も届かない路地裏に連れて行かれ――


私の体は、恐怖に震えた。



「ま、待って成希!」

「お前がいう事きかねないからだろ」

「え、いう事……あ、やだ!」



成希の手が、私の太ももをツツと這う。

何度か往復した手は、そのまま上を目指して移動する。

そして私のスカートの中へ。



「そういうのはダメって、前に約束を、」
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