お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
「……」

「ね?」



そう。私は受験生。


そういう行為は、受験が終わってからにしてほしいって、お願いしてある。

じゃないと、どんな時だって呼び出されそうで……嫌だった。



成希の手が止まり、ホッと息をつく。


良かった、いつもよりも少し悪ふざけが過ぎたのかな?

成希の手を下げながら「もう帰ろう?」と促した。


だけど――



「あんな約束、知らねーよ」

「ッ!?」



私の手を押しのけて、成希は再び手をスカートの中に滑らせた。

抵抗しようにも、成希の力が過ごすぎてビクともしない。



「成希……、やだ!!」



恐怖を押しのけ、ギリギリで出せた大きな声。

だけど、その声すら――

成希にキスをされ、封じられてしまう。
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