お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「三石の弟が教えてくれて……、それで異変に気付いた。お前のSNSも。アレがなければ、ここまで来れなかった」

「……っ」


勇運くんは、子供を許せないほど嫌ってるって、守人さんが言ってた。


――勇運はね、子供が嫌いなんだよ。特に君の弟くらいの年齢の子が許せないんだ


それなのに、夏海と話してくれた。夏海が話すことを、ちゃんと信じてくれた。全ては、私を助けるために――


「う~……っ」

「無事で、本当に良かった」


泣く私を見る勇運くん。その顔が、なんだか青白い気がして。その顔色の悪さは、もしかしたら夏海と話したせいじゃないかって――

そう思うと、むせかえるような申し訳なさが、内側からこみあげる。


勇運くん、ごめんね。
SOSに気付いてくれて、ありがとう。

私ね、ずっとずっと――


「勇運くんと、話したかった……っ」

「っ!」


ごめんね、勇運くん。
頼ってごめんなさい。

電話をかけようと思った時、真っ先に浮かんだのは、勇運くんの顔だった。
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