お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
「にしても、ねーちゃん遅いなぁ」
「!」
そうだ、そうだよ。なんで弟だけでウロウロしてんだ。
ねーちゃんって言ったな? つまり、三石と一緒だったって事だ。
その三石本人は、どこに行ったんだ?
「お前……、一人、か……?」
顔を合わせないまま、目を見ないまま。
息も絶え絶えになりながら、なんとか尋ねる。口を開けたら気持ち悪くなりそうだけど……そんな事も言ってられない。
「一人じゃないよー。さっきまでねーちゃんがいたんだ。けど、車に乗った友達と話をするからって、」
「……は?」
高校生なのに“車”に乗った友達? 不自然すぎるだろ。
……おい、まさか。