愛毒が溶けたら
やめろ、三石からどけろ。
誰の上に乗ってんだよ。
その子を何だと思ってるんだ。

お前は、三石を、


どれだけ傷つけたら気が済むんだ――


元カレのアイツに対して、半ば殺意のような。そんな尖った激情が、今すぐにでも口から飛び出しそうだった。

だけど、今アイツは三石の上にいる。怒ったアイツが、三石に何をするか分からない。


だから三石、もう少しの我慢だ。
俺が、すぐに助けてやる。


『「お前は、よく頑張った」』


――――そこからは、流れるように事がトントン拍子に進んだ。

俺のすぐ後を警察が来て、元カレを逮捕した。「今度は実刑は免れないぞ」と、周りの警察が話していた。ということは……、これから三石は、平和に過ごすことが出来るんだ。


「アイツが刑務所から出てくるまでは、か」

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