お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
兄貴は、きっと怒っている。兄貴の制止を振り切って、俺が一人ここにやってきた事に。
もしかしたら、俺も危ない目に遭ったかもしれない。今回二人とも無傷だったのは、奇跡に過ぎない。
二次被害を招くところだったんだよ――と、兄貴の顔に書いてある。本当は、俺を叱りたい気持ちを、今必死に我慢しているのが、兄貴の雰囲気から伝わってくる。
「……次は、しない」
「! その言葉、忘れないように」
帽子をキュッと目深に被り、自分の持ち場に戻ろうとする兄貴。だけど、俺に背を向けた瞬間――
「無事でよかった」
そう言って、俺たちから離れた。
「……っ、」
怒りたいのを我慢して、いや……怒りよりも、それ以上に。三石や俺の身を心配してくれていたのかと思うと、急に胸に来るものがあって。
俺は小さい声で「ごめん」と言うしか、何も返せなかった。
もしかしたら、俺も危ない目に遭ったかもしれない。今回二人とも無傷だったのは、奇跡に過ぎない。
二次被害を招くところだったんだよ――と、兄貴の顔に書いてある。本当は、俺を叱りたい気持ちを、今必死に我慢しているのが、兄貴の雰囲気から伝わってくる。
「……次は、しない」
「! その言葉、忘れないように」
帽子をキュッと目深に被り、自分の持ち場に戻ろうとする兄貴。だけど、俺に背を向けた瞬間――
「無事でよかった」
そう言って、俺たちから離れた。
「……っ、」
怒りたいのを我慢して、いや……怒りよりも、それ以上に。三石や俺の身を心配してくれていたのかと思うと、急に胸に来るものがあって。
俺は小さい声で「ごめん」と言うしか、何も返せなかった。