お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
「もういいから」と。おじさんは、俺の肩に優しく手を置く。それでも顔を上げない俺を、おじさんは半ば強引に、俺の両頬を挟んで持ち上げた。

すると、いつの間にか夜が来ていたらしく、おじさんの後ろに瞬く星が見えた。

けれど……



「ねぇ勇運くん」



その星よりも眩しい光が、おじさんの瞳に宿っている事に気付く。その瞳の奥に、娘を想う親の気持ちを垣間見た。



「私はね、もう冬音は大丈夫だと思うんだ」

「……え?」

「今回、犯人が捕まったといっても終身刑ではない。親としては極刑にしてもらいたいが……。実刑を終えた犯人が、再び日常に放り込まれる日が来るだろう。それは、冬音にとっても私たち親にとっても脅威だ。

だけどね。冬音は、一人じゃない。だって犯人が刑務所から出て来た時。今度こそ、君が守ってくれるんだろう?」

「!」
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