お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
「……~っ!」
手で顔を覆った俺を、おじさんが肩を持って引き寄せた。母さんとは違う抱きしめ方に、思わず親父を思い出す。
『 勇運、おいで 』
親父、バカ親父。
最期の最後まで、俺や兄貴の事を考えてたのかよ。どれだけ子供の事が好きなんだよ、子煩悩にもほどがあるだろ。
だけど、
そんな親父がいつまでも好きだった。鬱陶しいと思った事はあるが、嫌いと思った事はなかった。
親父、いつも想ってくれてありがとう。
親父の背中を十四年間見ることが出来て、俺は幸せだった。
親父は、俺の人生の道標だ。
親父の生き方は、カッコイイ。
俺も誰かを想い、そして守る事の出来る男になりたい。
親父みたいに、カッコよく生きたいんだ――