お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
前を向く
『冬音さんが許してくれるなら……俺は、
今度こそ、冬音さんの傍を離れません』
それは決して嘘ではなく。
俺の人生を再スタートさせる、
大切な言葉となった。
ガラッ
「三石……は、寝てるのか」
三石が元カレに連れ去られた事件から翌日。
三石は「念のため」という事もあり、数日のあいだ入院するとおじさんから聞かされた。
「連絡先を交換してほしい」と言われた時は疑問に思ったが……なるほど。こういうやりとりの時に必要だったのか。
「スー、スー」
放課後、ダッシュで病院に来た。
病院に着いてから「面会謝絶じゃないよな?」と不安になったが、受付の人は病室の番号を快く教えてくれた。変にニコニコしてるから不思議に思ったが……受付を去る俺の耳に入って来たのは、こんな言葉。