お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
放課後、急かされるように席を立ち、ほぼダッシュで自販機の隣に並ぶ三石。
自販機に着いた時、辺りをしきりにキョロキョロして、まだ男が来ていないと分かれば、安心しきった顔で息を吐く――
それらの行動は、まるで怯えてるように見えて、
『まさか、彼氏が怖いのか?』
そんな事を思った。
三石の表情は、季節が変わるごとに、どんどん暗くなっていった。
そして、日が早く落ちるようになった秋。俺の目に、信じられない光景が飛び込む。
『待って、成希……ッ』
『静かにしろ』
『ん……っ』