お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
『はい……』

『ん、よっと』


軽々と、私を上へ引っ張り上げたお巡りさん。

暗闇でよく見えないけど、何やら私を観察しているようだった。


『その制服……、陽の丘高校?』

『はい……。あの、それが……』

『あ、ごめん。何でもないよ』


ニッコリ笑ったかと思えば、お巡りさんは、今度は眉を八の字にした。


『う~ん、このまま返してあげたいけど……』


腕を組んで、何やら考え事をしているお巡りさんは「あ」と。

私を見て、恥ずかしそうに笑った。
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