お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
『ごめん、独り言だから気にしないで。

それより――

申し訳ないんだけど、一応、交番に来てもらえるかな? 保護者への引き渡しとか、書類も色々あってね』

『はい……、わかりました』


成希とサヨナラする手続き……みたいなものだと思えば、なんてことない。

お巡りさんは私の前を歩き「こっちだよ」と手招きした。


だけど――


細い路地裏を抜けると、私の隣をピタリと歩く。

周りから見ると、まるで私がお巡りさんに連れて行かれるように見えるけど……まあ、仕方ない。


『目立っちゃってごめんね。どうしても、ホラ。制服がね』

『あ、いえ……。大丈夫です。カッコいいですし』

『……』

『……あ』
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