お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
「ふっ。でも、おじさんが俺にそう言ってくれたように。俺も……冬音さんに頼ってもらいたいですから。

冬音さんが困った時、すぐ俺が思い浮かぶような――そんな関係になれたらいいなって思ってます」

「勇運くん……」



今度はお母さんが涙ぐむ。その気配を背中で感じ取った勇運くんも、穏やかに笑った。



「はぁ、若いっていいわね、久しぶりにときめいちゃった。今度ウチに遊びに来てね。あ、私とも連絡先を交換してくれる? もういっそ、グループを作っちゃおうかしら!」

「え……」



それはちょっと……、と勇運くんの笑顔が引きつった時。

バッグの中からスマホを探すお母さんが「そう言えば」と、またまた何かを思い出す。
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