お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「パパがね、こんな事も言ってたのよ。

勇運くんがお父様の話をしてくれる時。同じ表情をした人を、前にも見たって」

「俺と同じ表情?」



すると、お母さんは「あった」とスマホを握った。半ば強制的に、勇運くんもポケットからスマホを取り出す。


そして連絡先をとばし合うのだけど……なかなか繋がらない。お母さんは「難しいのね」と奮闘しながら、続きを話す。



「路地裏で冬音が警察の人に助けられた時。あの時、交番に冬音を迎えに行ったのはパパだった。そして、その時――冬音と一緒にいた警察官が、勇運くんと同じ表情をしていたらしいの」

「! 俺と同じ”顔”じゃなくて、”表情”?」
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