お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
私の家庭教師





「あの、勇運くん。今日は私、夏海のお迎えを頼まれていて」

「じゃあ人手がいるな。一緒に帰る」

「そ、そういう意味じゃないんだけど……」



数日間の入院も終わり、私はいつも通り元気に学校に通っていた。


薄氷が溶け、溶けた氷の水が蒸発し終わった夕方。

放課後、教室の中で、私と勇運くんは押問答を繰り広げてる。



「勇運くん、忘れがちだけど、私たち受験生だよ? だから私じゃなくて、勉強を構わなくちゃ。ね?」

「先月の模試”も”、全国一位だったけど?」

「うそ!?」



聞けば、学年一位は当たり前。

どろこか全国模試の順位も「1」の数字がズラリと並び、希望校もA判定の連続だそう。
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