お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
対して私は勉強が出来ないわけじゃないけど、苦手科目が克服できない。それが足を引っ張って、行きたい希望校はBよりもC判定をもらう方が多かった。
十二月、中旬。
運命の大きなテストは、来月。
「ヤバいのは、私だった……!」
「じゃあさ、」
青い顔をした私に、勇運くんが提案する。
その内容は、
「俺が家庭教師しようか? 何でも教えられるぞ」
「え……ほ、本当に!?」
塾とか行っても良かったけど夏海の事もあるし(押し付けられてるわけじゃない)、お母さんから勧められた塾は一通り断った。
そんな私からすると、勇運くんの提案は願ってもない申し出で……