愛毒が溶けたら


「意識する私がダメなんだよね、きっと……」

「……」



もうキスの事は考えないぞ、と心を鬼にする私を、勇運くんは見ていた。

そして……



「……ふっ」



何やら意味深な笑みで、ニヤリと笑うのだった。







「ここが夏海の保育園だよ」

「へー、結構デカいな」



そして歩く事、わずか数分。

学校からすぐ近くの保育園に到着した、私と勇運くん。保育園の前に、二人で並ぶのだけど……



「あの、勇運くん。ちょっと離れた方が良くない? 私たち」

「なんで?」

「だって、二人揃って保育園にお迎えって……かなり目立ってるよ?」
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