お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
しまった、サラリと恥ずかしい事を言っちゃった!

お巡りさんの制服姿が素敵だと思ったから……、つい。


『すみません。わ、忘れてください……っ』

『……っ』


顔を真っ赤にして俯く私。そんな私の横を、無言で歩くお巡りさん。

今が暗くて、本当に良かった……――



少し歩くと、少し先に赤いランプが見えた。どうやら、交番に到着したみたい。


お巡りさんは「どうぞ」と言ってくれる。

だけど――私の足は、ピタリと止まった。


もしかしたら、この中に成希がいるかもしれない。

先に連れて行かれた成希が、私の悪口を言っているかもしれない。


――チッ


成希の姿なんて見えないのに。

私には、あの舌打ちが聞こえる。


『……っ』


一歩も進めない私。

すると、その時――
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