お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

その時だった。


家のインターホンが、大きな音で鳴る。

電話越しに音が聞こえたのか、お母さんが「もうすぐ着くから、それまで対応してね!」と電話を切った。な、投げやり……!



「冬音、俺が出る」

「え、でも」

「今の音で、夏海が起きそうだぞ」



見ると、夏海が「うぅん」と言って、みじろぎしていた。ここで起きられるとマズイので、急いで背中をトントンする。

すると勇運くんは、その間に玄関に移動した。そして――「はい」と。ドアを開けたのだ。


ガチャ


< 249 / 398 >

この作品をシェア

pagetop