お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
ポンッ


『大丈夫だよ』

『!』


私の肩を叩く、お巡りさん。

優しい笑みを浮かべて、私の顔を覗きこんでいる。


『例の彼は、署の方に行ったよ。交番にはいないから、安心して』

『そ……う、ですか』


はぁ~と。肩の力が抜ける。

今にも地べたに座り込んでしまいそうな私に、更にお巡りさんは続けた。


『それに、ホラ。もしもこの中に彼がいたとしても、

安心して。守るから』

『え――?』

『なんたって”カッコいいお巡りさん”ですから』

『!』


私がさっき「カッコイイ」って言った言葉。

その言葉を、お巡りさんが笑顔で口にしてくれた。ヒヒヒって。そんな風に笑ってくれてる。

良かった、引かれてたワケじゃないんだ。
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