お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
私は必死に守人さんを探すのだけど……警察の人みんな、雨のせいでカッパを着ているからか、顔が見えづらく探せない。
――僕はちゃんと、前を向いてるよ
「安心できる言葉、のはずなのに……」
大丈夫かな
ケガしてないかな
なんて。不吉な予想をしてしまう。
「雨、早く止まないかなぁ……」
窓の外側を見ると、黒い雲が遠くまで伸びていた。
それはどこまでも果てしないように見えて……雨が一秒でも早く止みますようにと、願わずにはいられなかった。