お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「昨日、あのあと徹夜でさ。一睡も出来なかったんだよ。さっきやっと交代出来て……たまらずココで寝ちゃってた」


「そうだったんですか……、お疲れ様です」

「冬音ちゃんは、誰か倒れてると思って心配して声を掛けようとしてくれたんでしょ? 怖がらせてごめんね」

「い、いえ!」



むしろ「あの足は守人さんじゃないかな?」と思って近づいたから……。でも本音は言わず、ブンブンと首を横に振る。

すると守人さんは、チロリと時計を確認した。「十一時かぁ」なんて独り言つきで。



「……あ」



私、完璧に邪魔だよね?

これから守人さんは帰るだろうし、私がいたら私を家まで送らないとって使命感に駆られそうだし。お疲れのところ手間をかけさせるのは悪い――


そう思って、ベンチを立って帰ろうと……お辞儀をしかけた。


その時だった。


パシッ



「ねぇ、冬音ちゃん。遊園地に行かない?」
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