お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「今日の冬音ちゃんの任務は、楽しむことです。なので思いっきり笑って、おもいっきりはしゃぐこと!」

「!」

「分かりましたか?」



私と視線を合わせるため、膝を曲げたまま。ピッと敬礼する守人さん。

そんな事を言われたら、私も体の内側からウズウズしてきちゃって……



「じゃ、じゃあ……思いっきり、はしゃいでも……いいですか?」

「うん、もちろん!」

「りょ、了解です……っ」



「もちろん」と言った時の守人さんの笑顔が、本当に嬉しそうだったから。ついつい私も、ピッと敬礼をし返しちゃったりして。


そして少しだけ素直な自分をさらけ出すと、不思議なもので。芋づる式に、ズルズルと「騒ぎたい欲求」が湧いてきた。


よし――守人さんの言う通り、今日は思いっきり楽しんじゃえ!

< 280 / 398 >

この作品をシェア

pagetop