お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
観覧車でのささやき
ジェットコースター、コーヒーカップ、メリーゴーラウンド。
メインと呼ばれる乗り物には、一通り乗った。あと制覇してない物と言えば……
「やっぱり、お化け屋敷は外せないですよねっ」
「え、冬音ちゃん。平気なの?」
「もちろんですっ」
手でグッとサインを送れば、守人さんは暫く無言になった。
どうしたのかな?なんて思って、いまだ繋がっている手を、クンと短く引っ張ってみる。
「あ、あぁ……ごめんね。中、そうとう暗いと思うけど……平気?」
「? はい。お化け屋敷は昔から好きで、一度は入らないと気が済まないんです」
「そっか……うん。分かったよ」
ニコリと。守人さんは優しい笑みで、返事をしてくれた。
この確認の仕方……もしかして、守人さんがお化け屋敷を苦手だったりして?