お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
守人さんは、ただ一言。そう言って謝った。
守人さんは、優しい。いつも自分以外の誰かのことを考えられる人。だけど……今は、その優しさが、残酷で、苦しい。
「ここからは……一人で帰れます」
「ううん。送るよ。冬音ちゃんのお母さんにも、そう伝えたしね」
「……っ」
そうやって、子供扱いして。義務感で、私の隣にい続ける。
守人さんは、やっぱり残酷だ――
そして、電車に揺られること三十分。
この時間がとてつもなく長く、永遠のように思えた。だけど、やっぱり終わってほしくないと思う気持ちも強くあって。
「次は陽の丘駅、日の丘駅~」
「……」
ギュッ
降車駅のアナウンスが流れた時は、もらったウサギを、思わず強く握った。