お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
「ごめんねって言ってもいいから、ありがとうって……。一度だけでも、受け止めてほしかった……っ」
「冬音……」
「うぅ~、勇運くん。私、バカで最低なんだよぉ……っ」
恋をする楽しさを思い出させてくれた、守人さんへの恋を、素敵なものにしたくて。
そして無計画に感情を積み重ね、結果、一度に崩れてしまった。
乱暴に扱ったのは私なのに、だけどやっぱり、崩れると悲しくて。
「うわーんっ」
バラバラになった感情を目の前にした今。夏海のように。大きな声で、泣くことしか出来なかった。
「ごめんなさいっ、ごめんなさい……っ」
守人さん、傷つけてごめんなさい。
自分勝手でごめんなさい。
いつでも寄り添ってくれた守人さんを、優しい守人さんを……私は、あの一言で拒絶した。