お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
――それ、やめてください。守人さんを想う私の気持ちを、まるでなかった事みたいにされるのは……悲しいです
守人さんは、常に私のことを考えてくれたのに。
勇運くんは、自分が傷つきながらも私のそばにいると、覚悟を決めてくれたのに。
二人の間を自分勝手に揺れる私が、どうしようもなく嫌になった。
「うぅ~……っ」
「……おいで、冬音。中に入らないと、風邪ひくぞ」
二人に迷惑をかけているのに。結局は、どっちかの腕に甘えてしまう私は、やっぱり最低で――
そんな自分を、時間を追うごとに軽蔑していくしか、今の私に出来ることは何もなかった。
その日は――泣きに泣いて。大泣きの日で。
結局、ベッドに入っても泣き止むことはなかった。
だけど、机の上に、守人さんがくれたウサギと、勇運くんの持ってきてくれた参考書が並んでいる。
それらを見る度に……
私はまた、枕に涙を落とすのだった。