お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
「あ。おはよう、冬音ちゃん」
「お、おはよう、ございます……」
すっと、守人さんから視線を外した私を見た後。守人さんはヘルメットを外す。
そして、柴さんが行っている”飾り付け”とやらを見て、げんなりした表情を浮かべた。
「あー、柴さん。それ怒られますって」
「交番のランプは、クリスマスのためにあるものだと、私は常々に思っているのですが」
「消防の人からも怒られますよ、火事にでもなったらどうするんですか。
それに、反省文。相勤の俺も一緒に書かされる羽目になるので、絶対やめてください」
すると、まるで「ちぇ」と言わんばかりに。柴さんが、脚立から降り始めた。
っていうか、今の二人の会話……。
飾り付け。
柴さんが手に持っている、赤と緑の装飾品……
これらのヒントがあって、やっとピンと来た。
「そうか、あと少しでクリスマス……」