お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
「勇運くんはずっと、私を助けてくれた。なのに、私は……まだ何も返せてない。
だから今度は、私があなたを助ける……事は出来そうにないから、勇運くんが助かるまで、こうやって傍にいる!」
「ば……、バカじゃねーの……?」
勇運くんは、しばらく放心状態になった後。私とは反対方向を向いた。そして手に力を込め、
「意地でも、死ぬわけには行かなくなったじゃねーか……」と。
今にも泣きそうな、だけど怒った顔で、私を見た。
そんな顔を見て、もちろん私は泣いてしまって。「当たり前だよ」と、勇運くんを握る手に力を込めた。
「今、勇運くんが死んじゃったら……絶対、勇運くんのお父さん怒るよっ。なんで、こんなに早くコッチに来てるんだって、怒られるよ!」
「はは、それは……嫌だな」