お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「僕の頑張りが及ばなかった部分に関しては、どうしたらいいかな」

「それって……”子供嫌いをどう直したらいいかな”って、そう言ってます?」

「……うん」



大人の人で。
お巡りさんで。
だけど、その後ろ姿は、なんだか小さく見えて。


これが本来の守人さんなのだと、やっと気づく。



「少しずつ、大丈夫になっていけばいいんじゃないでしょうか。急がなくてもいいし、それに……

子供を好きにならなくても、それはそれでいいと思います」

「え」

「だって子供嫌いなのも含めて、守人さんっていう一人の人間じゃないですか」

「冬音ちゃん……」



その時、守人さんは夏海を見る。そして――

あの時、観覧車の中でも隠した自分の気持ちについて、少しずつ吐き出し始めた。
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