お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「わ、わわ」



急に体のバランスが崩れ、倒れそうになる。だけど、勇運くんがボスンと。私の体ごと抱きしめた。

「ありがとう」と言って、勇運くんから離れる。


いや、離れようとした。だけど……


見慣れないものが、私の左手にあって。

太陽の光を受けてキラキラ光る物から、目が離せなかった。



「あの、勇運くん……コレは……」

「……指輪」

「えぇ⁉」



そう。私の左手の薬指に、指輪がはまっていたのだ。しかも、キラキラのストーンがついていて……。

え、でも……、どうして指輪?



「入院している間、ずっと冬音のことを考えていた」

「私のこと……?」



驚く私に、勇運くんは私の手をとり、立ち上がる。私が立ちあがっても手は離さず、そのまま話を続けた。
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