お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「だから私、今すごく嬉しいの。昔から諦めていた四つ葉のクローバーを、今やっと見つけることが出来たからっ」



目の前にいる勇運くんを見る。少し俯いているからか、あまり顔が見えない。

もしかしたら、四つ葉のクローバーなんて押しつけがましかったかな?なんて不安を抱く。だけど……私も勇運くんと一緒で。


自分の気持ちを隠す事は、もう出来なかった。



「私は、勇運くんといられることで幸せになれるよ。だから……こんな私だけど、

……って、わぁ⁉」



突然。

ぎゅっと、勇運くんに抱きしめられる。

それはスゴイ力で、だけど、なぜだか少し震えていて。そして、とても温かかった。



「バカだなぁ、お前……」

「ば、バカだもん……」

「そうだよな。道に出来た氷にさえ、はしゃぐもんな」

「む……ッ」



だけど私が文句を言う前に。体を離され、頬に両手を添えられる。
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