お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
それでも不安がる私に、勇運くんはまたキスをした。
そして今まで見たこともない優しい瞳で、私を見つめる。
「俺は、もう大丈夫だから。冬音が隣にいれば、なんだって大丈夫になれるんだ」
「勇運くん……」
あまりにも幸せそうな顔で、そう言うものだから。私の不安も、一気に吹き飛んで行く。
これから先、まだまだ困難が待ち受けているだろう。だけど、私たちが一緒にいれば怖い事なんてない――って。そんな事を思った。
すると、その時――
プルル
「電話……げ、兄貴」
「守人さん? ”今日は仕事だから一緒にお墓に行けない”って言ってたのに」
勇運くんが嫌々電話を取ると、「遅い」と。少し怒った声をした、守人さんの声が聞こえた。