お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
「なんの用だよ。墓参りなら、もう終わったぞ」
『それはいいんだよ。ただ、嫌な予感がしてね。それで電話をかけたんだけど……勇運、冬音ちゃんに何もしてないよね?』
「(ギクッ)」
告白だけにとどまらず、指輪を渡してプロポーズをした挙句、めでたく結ばれキスしまくりました――なんて。そんな事は、口が裂けても言えない私たち。
無言で顔を見合わせ、そして……思わず苦笑を浮かべる。
すると、守人さんが「それより」と。
電話の向こうで、話を変えた。
『母さんが心配してたよ。大学、教育学部を受けるんだって?』
「え⁉」と驚いたのは、私。
今まで「勇運くんはどこを受けるんだろう」なんて疑問に思ってたけど、結局聞かずじまいだった。
だけど……まさか、教育学部だったなんて……!
でも、なんでだろう?――と思っていると。本人の口から、その理由が明かされる。