お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
「おい三石、大丈夫か」

「うぅ……」


勇運くんが、私に問いかける。

口を開くと、アレがアレしそうで……。フルフルと力なく、頭を横に振った。


「そうか。じゃあ――少しだけ我慢しろよ」


言うや否や。
もしくは、ちょっと食い気味で。

勇運くんは、私が座る椅子をガガガと動かす。そして筋肉質な腕を私の膝下。もう一方の腕を私の背中へと、素早く回した。

え、もしかしてコレ……お姫様だっこ⁉


「ゆ、うく……」


降ろしていいよ
重たいでしょ?

そう言いたくても言えない私に代わり、勇運くんが口を開く。


「どうしても我慢できなかったら、遠慮せずに出していいから」

「ぅ……?」

「お前を受け止める覚悟は、出来てるってこと」

「っ!」


お前を……っていうか、

私の××を!?

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